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佐賀県2026年衆議院小選挙区
無効票に関する統計分析レポート

公開結果に基づく、公文書開示請求の合理的必要性の整理

対象:令和8年2月8日執行 第51回衆議院議員総選挙 佐賀県第1区・第2区
論点:無効票の地域偏在、結果影響度、追加開示対象文書

作成日:2026年4月23日
版:公開用ドラフト v1.0

重要な注意:本レポートは不正を認定又は断定するものではない。公開結果だけでは、無効票の原因が白票、候補者名誤記、判読不能、疑問票判定、集計訂正、偶然変動、その他のいずれであるかを判別できない。そのため、無効票理由別内訳、疑問票判定記録、開票録、立会人異議記録、訂正履歴等の公文書開示を求める合理的必要性を示すことを目的とする。

1. 要旨

佐賀県全体の無効票率は、投票総数 385,496、無効票 9,514、無効票率 2.47% である。県全体だけを見ると、2025年参院選・全国選挙区基準 2.41% からの乖離は小さい。

しかし、選挙区別には明確な段差がある。佐賀1区は投票総数 189,774、無効票 5,297、無効票率 2.79%、佐賀2区は投票総数 195,722、無効票 4,217、無効票率 2.15% であり、差は 0.64ポイントである。2標本比率検定では z=12.74、p≈3.68e-37 となる。

佐賀1区の当落差は、岩田かずちか候補 84,220 票、原口一博候補 83,028 票で 1,192 票である。佐賀1区の無効票総数 5,297 票は当落差の 4.44 倍であり、無効票総数だけを見ると結果影響確認の必要性は高い。一方、2025基準からの超過無効票は約 725.5 票で、当落差を下回る。

市町村別には、鳥栖市、佐賀市、基山町、みやき町、有田町が2025基準に対する上振れ候補として目立つ。低側の対照としては白石町、伊万里市、嬉野市、小城市、唐津市などがあり、県内に上下の偏在が存在する。

表1 基礎集計と結果影響度の概要

対象 投票総数 無効票 無効票率 当選者 次点 当落差 無効票/当落差
佐賀1区 189,774 5,297 2.79% 岩田かずちか 原口一博 1,192 4.44倍
佐賀2区 195,722 4,217 2.15% 古川やすし 大串ひろし 21,135 0.20倍
県計 385,496 9,514 2.47%

2. 裁判・公聴会向けの評価基準

2.1 本レポートで採用する証拠階層

表2 証拠階層

階層 定義 本件での例
A:一次資料事実 公式PDF、条例、判例など、出典そのものから確認できる事実。 県・選管PDFの投票総数、無効票数、候補者別得票数。
B:再現可能な計算 A資料の値から、式を明示して誰でも再計算できる値。 無効票率、期待無効票、zスコア、当落差比。
C:解釈・評価 A・Bから導く調査優先度。反証可能で、別基準により変動しうる。 鳥栖市・佐賀市・基山町を開示優先とする判断。
D:未確認仮説 公開結果だけでは確定できない説明。開示資料で検証する。 白票増、誤記、疑問票判定、集計訂正、偶然変動等。

2.2 選挙争訟上の基準との関係

最高裁判例は、選挙無効の原因について、選挙の管理執行の手続に関する規定の違反があり、それが選挙の結果に異動を及ぼすおそれがあることを要件として整理している[S6]。本レポートは、このうち「違反」の存在を主張するものではない。公開結果から確認できるのは、無効票の地域偏在と、当落差に対する無効票総数の大きさである。

公聴会又は行政説明の場では、統計的外れをそのまま不正又は違法と表現せず、「追加記録を確認すべき合理的理由」と表現するのが妥当である。

2.3 統計基準

表3 統計指標と用途

指標 計算式 用途
無効票率 無効票数 / 投票総数 事実の標準化。
期待無効票 投票総数 × 基準無効票率 基準から見た予測票数。
超過無効票 実無効票 − 期待無効票 実票数としての過不足。
zスコア (実無効票 − n p) / sqrt(n p (1−p)) 外れ度。|z|≥2を注意、≥3を外れ候補、≥4を開示優先候補とする。
多重比較補正 Benjamini-Hochberg型 q値 20市町村を同時に見るための偶然拾い対策。
過分散感度分析 quasi-binomial z = z / sqrt(phi) 地域差による自然なばらつきを考慮し、過度な断定を避ける。
結果影響比 無効票数 / 当落差 無効票総数が当落差を上回るかを見る。結果変動そのものは示さない。

3. 使用資料とデータ処理

本分析の主データは佐賀県選挙管理委員会が公表した開票結果PDFである。県の開票結果ページには、候補者別開票区別得票数PDFと開票区別投票総数PDFが添付されている[S1]。無効票数・投票総数は[S2]、候補者別得票は[S3]から取得した。

公式PDFには郡計と町村行が併記される箇所がある。市町村別分析では、郡計行を除外し、実自治体行のみを用いた。例として、神埼郡と吉野ヶ里町、東松浦郡と玄海町、西松浦郡と有田町、藤津郡と太良町は同一値であり、郡計を重複計上しない。

表4 参照資料

ID 機関・種別 資料 URL
S1 佐賀県 小選挙区選出議員選挙 開票結果(確定:0時30分現在) https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/index.html
S2 佐賀県選挙管理委員会 衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果(開票区別投票総数) https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/3_117952_up_t48ji0z0.pdf
S3 佐賀県選挙管理委員会 衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果(候補者別開票区別得票数) https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/3_117952_up_411j14ce.pdf
S4 佐賀県 公文書開示制度の概要 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00327973/index.html
S5 佐賀県 佐賀県情報公開条例 https://www1.g-reiki.net/pref.saga/reiki_honbun/q201RG00000071.html
S6 最高裁判所 選挙無効の原因に関する最高裁判決PDF https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-52121.pdf
S7 公開二次資料 第27回参院選・全国選挙区無効票率(総務省結果調速報に基づく値。正式提出時は総務省資料へ差替え推奨) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC27%E5%9B%9E%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E9%80%9A%E5%B8%B8%E9%81%B8%E6%8C%99

4. 基礎集計

4.1 選挙区別

表5 選挙区別基礎集計

有効票 無効票 投票総数 無効票率 当落差 無効票/当落差
佐賀1区 184,477 5,297 189,774 2.79% 1,192 4.44倍
佐賀2区 191,505 4,217 195,722 2.15% 21,135 0.20倍

佐賀1区と佐賀2区の無効票率差は 0.64ポイントであり、95%信頼区間は 0.54–0.73ポイントである。単純な2標本比率検定では z=12.74、p≈3.68e-37 である。

4.2 市町村別無効票率

図1 市町村別無効票率。破線は2025参院選全国選挙区基準、点線は佐賀県平均。

5. 市町村ごとの統計外れ度

主基準として、2025年参院選・全国選挙区の無効票率を用いた。値は 1,460,129 / 60,613,775 = 2.4089% である[S7]。この基準に対する単純二項モデルでは、鳥栖市、佐賀市、基山町、みやき町、有田町が上振れ候補として抽出される。

表6 2025全国選挙区基準に対する上振れ候補

市町村 投票総数 無効票 無効票率 期待無効票 超過無効票 z q(BH) 優先
鳥栖市 佐賀1区 34,340 1,075 3.13% 827.2 +247.8 8.72 <0.001 S
佐賀市 佐賀1区 105,737 2,895 2.74% 2,547.1 +347.9 6.98 <0.001 S
基山町 佐賀1区 9,585 332 3.46% 230.9 +101.1 6.74 <0.001 S
有田町 佐賀2区 9,877 289 2.93% 237.9 +51.1 3.35 0.002 A
みやき町 佐賀1区 12,748 363 2.85% 307.1 +55.9 3.23 0.003 S
吉野ヶ里町 佐賀1区 7,706 213 2.76% 185.6 +27.4 2.03 0.060 A
江北町 佐賀2区 5,102 132 2.59% 122.9 +9.1 0.83 0.478 A
大町町 佐賀2区 3,122 78 2.50% 75.2 +2.8 0.33 0.744 A
多久市 佐賀2区 9,013 212 2.35% 217.1 -5.1 -0.35 0.744 A
武雄市 佐賀2区 23,138 539 2.33% 557.4 -18.4 -0.79 0.479 C

図2 2025全国選挙区基準に対するzスコア。

5.1 低側対照

高い地域だけでなく、低い地域を対照として示すことが重要である。低側の地域が存在することは、県全体の平均だけでは地域偏在を十分に説明できないことを示す。

表7 2025全国選挙区基準に対する低側対照

市町村 無効票率 超過無効票 z 用途
白石町 佐賀2区 1.63% -88.9 -5.44 低側対照
伊万里市 佐賀2区 1.96% -113.5 -4.66 低側対照
嬉野市 佐賀2区 1.79% -72.5 -4.35 低側対照
小城市 佐賀2区 2.05% -76.7 -3.41 低側対照
唐津市 佐賀2区 2.23% -102.6 -2.83 低側対照
鹿島市 佐賀2区 2.06% -45.0 -2.57 低側対照

5.2 ロバストネスと過分散

単純二項モデルは、すべての市町村が同一の基準確率 p から発生したと仮定するため、地域差・年齢構成・投票行動・候補者構成の違いを過小評価しやすい。本件データで2025基準に対するPearson過分散を推定すると phi=16.30 である。これは、単純二項zをそのまま違法性の証拠として扱うべきではなく、開示優先順位のスクリーニングとして使うべきであることを示す。過分散補正後も、鳥栖市は正方向の最上位に残る。

表8 基準変更・過分散補正による感度確認

市町村 z2025 過分散補正z z佐賀県 z区内
鳥栖市 8.72 2.16 7.91 3.82
佐賀市 6.98 1.73 5.66 -1.05
基山町 6.74 1.67 6.28 4.00
有田町 3.35 0.83 2.93 5.28
みやき町 3.23 0.80 2.76 0.39
吉野ヶ里町 2.03 0.50 1.68 -0.14
江北町 0.83 0.21 0.55 2.13
大町町 0.33 0.08 0.11 1.32

6. 結果に与える影響度

結果影響度は、統計外れ度とは別の軸で評価する。統計的に外れていても、当落差が大きければ結果影響は低い。逆に、統計的外れが小さくても、当落差が非常に小さい地域では局所的な確認価値がある。

表9 選挙区別の結果影響度

当選者 次点 当落差 無効票 無効票/当落差 超過無効票(2025基準) 超過/当落差 逆転に必要な無効票割合
佐賀1区 岩田かずちか 原口一博 1,192 5,297 4.44倍 +725.5 60.9% 22.52%
佐賀2区 古川やすし 大串ひろし 21,135 4,217 0.20倍 -497.8 -2.4% 501.21%

佐賀1区では無効票総数が当落差を大きく上回る。ただし、2025基準から見た超過無効票は当落差の約60.9%であり、超過分だけで逆転可能性を説明することはできない。よって、公の場での表現は「無効票総数が当落差を上回るため、無効票の理由別内訳及び判定過程の確認が必要」で足りる。

6.1 市町村別の局所的結果影響

表10 無効票数が地域内候補者差に比して大きい自治体

市町村 地域内首位 地域内次点 地域内差 無効票 無効票/差 z(2025) 局所影響
小城市 佐賀2区 古川やすし 大串ひろし 53 441 8.32 -3.41
多久市 佐賀2区 大串ひろし 古川やすし 59 212 3.59 -0.35
江北町 佐賀2区 大串ひろし 古川やすし 50 132 2.64 0.83
太良町 佐賀2区 大串ひろし 古川やすし 31 74 2.39 -2.54
大町町 佐賀2区 古川やすし 大串ひろし 54 78 1.44 0.33
鳥栖市 佐賀1区 岩田かずちか 原口一博 807 1,075 1.33 8.72
みやき町 佐賀1区 岩田かずちか 原口一博 295 363 1.23 3.23
佐賀市 佐賀1区 原口一博 岩田かずちか 3,021 2,895 0.96 6.98
神埼市 佐賀1区 岩田かずちか 原口一博 699 322 0.46 -2.10
嬉野市 佐賀2区 古川やすし 大串ひろし 503 212 0.42 -4.35
基山町 佐賀1区 岩田かずちか 原口一博 1,065 332 0.31 6.74
鹿島市 佐賀2区 大串ひろし 古川やすし 1,004 269 0.27 -2.57

図3 市町村別の無効票数 / 地域内候補者差。

図4 統計外れ度と局所的結果影響度の二軸評価。

7. 影響を受けうる候補者リスト

表11 候補者別の影響評価

候補者 立場 得票 分析上の位置付け
岩田かずちか 佐賀1区 当選者 84,220 佐賀1区の当落差1,192票に対し無効票総数5,297票。確認対象。
原口一博 佐賀1区 次点 83,028 最も影響を受けうる候補者。無効票理由別内訳・疑問票判定記録の確認価値が高い。
重松たかみ 佐賀1区 第3位 17,229 当落影響は低いが、誤記・按分・無効判定の分類確認対象。
古川やすし 佐賀2区 当選者 106,320 区全体では当落差21,135票が大きく、結果影響は低い。局所確認対象。
大串ひろし 佐賀2区 次点 85,185 区全体では結果影響は低いが、小城市・多久市・江北町・太良町など局所差が小さい地域がある。

8. 開示請求の優先自治体

表12 開示請求優先自治体

優先 自治体 理由 主な請求文書
S 鳥栖市 z高、無効票数が地域内首位・次点差を上回る。佐賀1区の結果確認上も重要。 無効理由別内訳、疑問票判定、立会人異議、中間集計。
S 佐賀市 超過無効票数が最大。佐賀1区全体の上振れ寄与が大きい。地域内差に対して無効票が0.96倍。 無効理由別内訳、投票区別無効票、疑問票判定。
S/A 基山町 無効票率が最高水準。母数は小さいがzが高い。 無効理由別内訳、判定メモ、投票区別資料。
A みやき町 無効票が地域内首位・次点差を上回る。 疑問票判定、無効理由別内訳。
A/B 有田町 2区で結果影響は低いが、区内基準では高い。 無効理由別内訳、地域運用差確認。
対照 白石町・伊万里市・嬉野市等 低側の対照。高い地域だけを拾ったとの批判を避けるため確認対象に含める。 最低限の無効理由内訳又は開票録照合。

9. 代替仮説と反証条件

表13 代替仮説と検証資料

仮説 説明 検証に必要な資料
白票・抗議票増 意図的な白票が増えた。 無効投票の理由別内訳。白票比率が高ければこの説明が強くなる。
候補者名誤記 候補者名、通称、党派名、類似名の記載誤り。 疑問票・効力判定記録。特定候補に近い記載が多いか。
判読不能票増 記載不明瞭、汚損、判読不能。 無効票分類表、判定記録、立会人確認記録。
運用差 市町村ごとの効力判定運用に差があった。 開票事務マニュアル、県・市町選管の通知、効力判定基準。
集計訂正・入力修正 速報・中間集計から確定までの訂正。 開票速報、中間集計ログ、訂正履歴、再点検記録。
偶然変動・地域要因 候補者構成や投票者属性による自然な差。 過去選挙比較、投票区別、年齢・期日前投票別データ。

反証条件:無効票理由別内訳の大半が白票であり、疑問票判定記録に候補者名誤記の偏りがなく、立会人異議・訂正履歴・再集計記録も存在しない場合、本レポートが示す「判定過程確認の必要性」は弱まる。一方、特定候補名に近い無効票、判定変更、集計訂正、投票区別の極端な偏在が確認される場合、追加分析の必要性は高まる。

10. 開示請求すべき文書

表14 開示請求対象文書

優先 文書 理由
S 各開票区の開票録 公式結果の根拠となる一次的記録を確認する。
S 無効投票の理由別内訳 白票、候補者名誤記、複数記載、他事記載、判読不能等を分解する。
S 疑問票・効力判定記録、判定メモ、集計表 どの票がどの理由で無効とされたか、候補者名に近い記載の処理を確認する。
S 開票立会人の意見・異議・確認記録 判定過程に争い又は確認事項があったかを確認する。
A 開票速報・中間集計・訂正履歴 無効票がどの時点で計上され、訂正や再集計があったかを確認する。
A 再点検・再集計・集計修正の有無が分かる文書 最終確定までの修正過程を確認する。
A 開票事務従事者用マニュアル、効力判定基準、通知、指示文書 市町村間で判定運用差があったかを確認する。
B 投票区別の投票者数・無効票数 市町村内の局所偏在を確認する。
B 期日前・当日・不在者別の無効票数 投票経路別の偏りを確認する。
B 開票機・読取分類機の使用記録、機器別ログ 機械読取・分類上の要因を確認する。

佐賀県の公文書開示制度では、県が保有する公文書について原則として開示を受けられ、選挙管理委員会も情報公開センターの担当機関に含まれる[S4]。県内居住者に限らず請求可能であり、請求内容は文書が特定できるようできるだけ具体的に記載する必要がある[S4]。

10.1 開示請求文案

令和8年2月8日執行 第51回衆議院議員総選挙 佐賀県第1区及び第2区に関し、公開開票結果において無効投票数及び無効投票率の地域差が確認され、特に佐賀1区では無効投票総数が当落差を上回るため、無効投票の理由別内訳、疑問票判定、開票過程及び訂正履歴を確認する必要があります。つきましては、佐賀県選挙管理委員会又は関係市町選挙管理委員会が作成又は取得し、組織的に用いるものとして管理している次の公文書について開示を請求します。

1. 佐賀市、鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町、及び必要に応じて有田町その他関係開票区に係る開票録
2. 各開票区における無効投票の理由別内訳が分かる文書(白票、候補者名誤記、複数記載、他事記載、判読不能、その他の分類を含む)
3. 疑問票、無効票、効力判定に関する記録、判定メモ、集計表、確認表、又はこれらに相当する文書
4. 開票立会人からの異議、意見、確認事項、署名又は確認記録が分かる文書
5. 開票速報、中間集計、訂正履歴、再確認・再集計の有無が分かる文書
6. 無効票判定に用いられた開票事務取扱要領、マニュアル、通知、指示文書、効力判定基準
7. 投票区別、期日前・当日・不在者別に無効投票数又は投票者数が分かる文書が存在する場合は当該文書
8. 開票機、読取分類機、集計システムの使用記録、ログ、又は機器別集計資料が存在する場合は当該文書

なお、公文書の件名が異なる場合であっても、上記内容に相当する文書を含めて特定いただきたい。

11. 結論

佐賀県全体の無効票率は極端な異常とは言いにくい。しかし、佐賀1区と佐賀2区の間には明確な差があり、佐賀1区では無効票総数が当落差を大きく上回る。

市町村別には、鳥栖市、佐賀市、基山町、みやき町などで、2025年参院選全国選挙区基準に対する上振れが集中している。特に鳥栖市では統計外れ度と局所的結果影響度の双方が高い。

本レポートは違法性又は不正を立証するものではない。むしろ、公開結果だけでは原因を判別できないため、無効票理由別内訳、疑問票判定記録、開票録、立会人異議記録、訂正履歴等を開示請求する合理的必要性がある、という結論に限定する。

11.1 公表時に使用できる要約文

本分析は、佐賀県が公表した2026年衆議院小選挙区の開票結果に基づき、無効票の地域偏在と結果影響度を検討したものであり、不正を断定するものではありません。佐賀県全体の無効票率は極端とは言えない一方、佐賀1区では無効票総数が当落差を上回り、佐賀市・鳥栖市・基山町・みやき町など一部地域で無効票率の上振れが確認されます。公開結果だけでは、これが白票、誤記、判読不能、疑問票判定、集計訂正、偶然変動のいずれによるものか判別できません。したがって、無効票理由別内訳、疑問票判定記録、開票録、立会人異議記録、訂正履歴等の公文書開示を求める合理的必要性があります。

付録A:計算式

指標
無効票率 invalid_rate_i = invalid_i / total_i
期待無効票 expected_i = total_i × p0
超過無効票 excess_i = invalid_i − expected_i
二項標準偏差 sd_i = sqrt(total_i × p0 × (1 − p0))
zスコア z_i = excess_i / sd_i
2標本比率検定 z = (p1 − p2) / sqrt(p_pool(1−p_pool)(1/n1 + 1/n2))
結果影響比 impact_ratio = invalid_votes / margin
逆転に必要な無効票割合 minimum_share = (margin + 1) / invalid_votes
過分散補正 z_quasi = z / sqrt(phi), phi = Pearson χ² / (m − 1)

本レポートの主基準 p0 = 0.02408906(2025参院選・全国選挙区)。佐賀県平均 p = 0.02467989、佐賀1区平均 p = 0.02791215、佐賀2区平均 p = 0.02154587。

付録B:市町村別データ表

市町村 投票総数 無効票 無効票率 95%CI 期待(2025) 超過(2025) z2025 q2025 z県 z区内 首位 次点 地域差 無効/差 優先
鳥栖市 1 34,340 1,075 3.13% 2.95–3.32% 827.2 +247.8 8.72 <0.001 7.91 3.82 岩田かずちか 原口一博 807 1.33 S
佐賀市 1 105,737 2,895 2.74% 2.64–2.84% 2,547.1 +347.9 6.98 <0.001 5.66 -1.05 原口一博 岩田かずちか 3,021 0.96 S
基山町 1 9,585 332 3.46% 3.12–3.85% 230.9 +101.1 6.74 <0.001 6.28 4.00 岩田かずちか 原口一博 1,065 0.31 S
有田町 2 9,877 289 2.93% 2.61–3.28% 237.9 +51.1 3.35 0.002 2.93 5.28 古川やすし 大串ひろし 1,092 0.26 A
みやき町 1 12,748 363 2.85% 2.57–3.15% 307.1 +55.9 3.23 0.003 2.76 0.39 岩田かずちか 原口一博 295 1.23 S
吉野ヶ里町 1 7,706 213 2.76% 2.42–3.15% 185.6 +27.4 2.03 0.060 1.68 -0.14 岩田かずちか 原口一博 884 0.24 A
江北町 2 5,102 132 2.59% 2.19–3.06% 122.9 +9.1 0.83 0.478 0.55 2.13 大串ひろし 古川やすし 50 2.64 A
大町町 2 3,122 78 2.50% 2.01–3.11% 75.2 +2.8 0.33 0.744 0.11 1.32 古川やすし 大串ひろし 54 1.44 A
白石町 2 11,369 185 1.63% 1.41–1.88% 273.9 -88.9 -5.44 <0.001 -5.78 -3.87 大串ひろし 古川やすし 1,938 0.10 対照A
伊万里市 2 25,260 495 1.96% 1.80–2.14% 608.5 -113.5 -4.66 <0.001 -5.21 -2.13 古川やすし 大串ひろし 3,545 0.14 対照A
嬉野市 2 11,811 212 1.79% 1.57–2.05% 284.5 -72.5 -4.35 <0.001 -4.71 -2.69 古川やすし 大串ひろし 503 0.42 対照A
小城市 2 21,490 441 2.05% 1.87–2.25% 517.7 -76.7 -3.41 0.002 -3.93 -1.03 古川やすし 大串ひろし 53 8.32 A
唐津市 2 55,902 1,244 2.23% 2.11–2.35% 1,346.6 -102.6 -2.83 0.009 -3.70 1.15 古川やすし 大串ひろし 15,828 0.08 対照B
鹿島市 2 13,035 269 2.06% 1.83–2.32% 314.0 -45.0 -2.57 0.018 -2.98 -0.71 大串ひろし 古川やすし 1,004 0.27 対照B
太良町 2 4,109 74 1.80% 1.44–2.25% 99.0 -25.0 -2.54 0.018 -2.76 -1.56 大串ひろし 古川やすし 31 2.39 A
神埼市 1 15,004 322 2.15% 1.93–2.39% 361.4 -39.4 -2.10 0.055 -2.54 -4.80 岩田かずちか 原口一博 699 0.46 対照B
玄海町 2 2,494 47 1.88% 1.42–2.50% 60.1 -13.1 -1.71 0.117 -1.88 -0.93 古川やすし 大串ひろし 1,003 0.05 C
上峰町 1 4,654 97 2.08% 1.71–2.54% 112.1 -15.1 -1.44 0.186 -1.69 -2.93 岩田かずちか 原口一博 463 0.21 C
武雄市 2 23,138 539 2.33% 2.14–2.53% 557.4 -18.4 -0.79 0.479 -1.36 1.83 古川やすし 大串ひろし 2,139 0.25 C
多久市 2 9,013 212 2.35% 2.06–2.69% 217.1 -5.1 -0.35 0.744 -0.71 1.29 大串ひろし 古川やすし 59 3.59 A

付録C:出典URL

[S1] 佐賀県『小選挙区選出議員選挙 開票結果(確定:0時30分現在)』 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/index.html

[S2] 佐賀県選挙管理委員会『衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果(開票区別投票総数)』 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/3_117952_up_t48ji0z0.pdf

[S3] 佐賀県選挙管理委員会『衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果(候補者別開票区別得票数)』 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji003117952/3_117952_up_411j14ce.pdf

[S4] 佐賀県『公文書開示制度の概要』 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00327973/index.html

[S5] 佐賀県『佐賀県情報公開条例』 https://www1.g-reiki.net/pref.saga/reiki_honbun/q201RG00000071.html

[S6] 最高裁判所『選挙無効の原因に関する最高裁判決PDF』 https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-52121.pdf

[S7] 公開二次資料『第27回参院選・全国選挙区無効票率(総務省結果調速報に基づく値。正式提出時は総務省資料へ差替え推奨)』 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC27%E5%9B%9E%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E9%80%9A%E5%B8%B8%E9%81%B8%E6%8C%99